液体ホーニング/ホットピーニング/サンドブラスト/ショットブラスト
バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”f)ばね製造”に分類されている用語のうち、『液体ホーニング』、『ホットピーニング』、『サンドブラスト』、『ショットブラスト』のJIS規格における定義その他について。
コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”f)ばね製造”に分類されているバネ用語には、以下の、『液体ホーニング』、『ホットピーニング』、『サンドブラスト』、『ショットブラスト』などの用語が定義されています。
ばね用語(JIS B 0103)
⇒【f)ばね製造】
分類: ばね用語 > f)ばね製造
番号: 6255
用語: 液体ホーニング
定義:
ばね表面を清浄にするとともに、ばね表面層の圧縮残留応力(※1)による疲れ強さの向上を目的に、微細な研磨材を加えた水、又はそれに適当な腐食抑制剤を加えたものを吹き付ける加工。
備考:
ショットピーニング(※2)では、変形が大き過ぎるものに適用する。
対応英語(参考):
liquid honig
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > f)ばね製造
番号: 6256
用語: ホットピーニング
定義:
通常のショットピーニングより高い残留応力を得るために、200〜400℃の温間で行うショットピーニング加工。
主として高強度材を用いたコイルばねに使用される。
対応英語(参考):
hot peening,
warm peening
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > f)ばね製造
番号: 6257
用語: サンドブラスト(※3)
定義:
表面スケール除去や表面の清浄化を目的に、粒状の研磨剤を圧縮空気、遠心力又はその他の方法によって、ばねの表面に打ち付ける加工。
対応英語(参考):
sand blasting
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > f)ばね製造
番号: 6258
用語: ショットブラスト(※3)
定義:
ショット(鋼球など)を遠心力、空気圧などを利用して金属表面に投射して、スケール、さびなどを除去するとともに表面層に圧縮残留応力を生じさせる加工。
対応英語(参考):
shot blasting
慣用句(参考):
−
(※1)
圧縮残留応力とは、ばねにショットピーニングなどを施すことによって、表面層は若干の加工硬化とともに表面層だけが展延され、これに起因して生じる圧縮の残留応力のことです。
(※2)
ショットピーニングとは、ショット(鋼球など)をバネ表面に高速で打ち付け、主として表面層に圧縮残留応力を生じさせ、疲れ強さを向上させるために行う加工のことです。
(※3)
サンドブラストやショットブラストは、ブラスト処理の一種です。
ブラスト処理とは、処理される表面に高運動量のブラスト研削材を衝突させる方法の総称です。
金属製品に防せい防食を目的として塗料などを被覆する場合に、素地調整のために行われる作業です。
研削材に大きな運動エネルギーを与えて金属表面に衝突させ、金属表面を細かく切削及び打撃することによって、さびやスケールなどを除去し、金属表面を清浄化又は粗面化させるための方法です。
ブラスト法は、対応国際規格では、使用する研磨材などの種類によって、
・アブレシブブラスト(abrasive blasting)
・ビードブラスト(bead blasting)
・ガラスビードブラスト(glass bead blasting)
・カットワイヤブラスト(cut wire blasting)
・グリットブラスト(grit blasting)
・サンドブラスト(sand blasting)
・ショットブラスト(shot blasting)
・ウエットブラスト(wet blasting)
の用語を規定しています。