バネ定数,計算,コイルばね,板,皿,材料,鋼,設計,座金,スプリング,製造等の種類・用語

 

浸炭/窒化/高周波焼入れ/ショットピーニング



バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”f)ばね製造”に分類されている用語のうち、『浸炭』、『窒化』、『高周波焼入れ』、『ショットピーニング』のJIS規格における定義その他について。

コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”f)ばね製造”に分類されているバネ用語には、以下の、『浸炭』、『窒化』、『高周波焼入れ』、『ショットピーニング』などの用語が定義されています。

ばね用語(JIS B 0103)
⇒【f)ばね製造


分類: ばね用語 > f)ばね製造

番号: 6245

用語: 浸炭(※1)

定義:
鉄の表面層の炭素量を増加させるため、浸炭剤中で加熱する処理。
浸炭剤の種類によって固体浸炭
(※2)、液体浸炭(※3)及びガス浸炭(※4)に分けられる。
備考:
JIS G 0201 参照。
(※5)

対応英語(参考):
carburizing

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > f)ばね製造

番号: 6246

用語: 窒化(※6)

定義:
鉄鋼の表面層に窒素を拡散させ、表面層を硬化する処理。
方法には、アンモニア分解ガスによるガス窒化及び青酸塩による液体窒化がある。
備考:
JIS G 0201 参照。

対応英語(参考):
nitriding

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > f)ばね製造

番号: 6247

用語: 高周波焼入れ

定義:
高周波電流による誘導加熱作用で加熱して行う焼入れ処理。
主に、鉄鋼の任意の表面又は部分を焼入れする場合に用いる。
参考:
鉄鋼の高周波焼入れ焼戻し処理は、JIS B 6912
(※7) に規定している。
備考:
JIS G 0201 参照。

対応英語(参考):
induction hardening

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > f)ばね製造

番号: 6251

用語: ショットピーニング

定義:
ショット(鋼球など)をバネ表面に高速で打ち付け、主として表面層に圧縮残留応力を生じさせ、疲れ強さを向上させるために行う加工。

対応英語(参考):
shot peening

慣用句(参考):


(※1)
浸炭に関連するJIS規格には、以下などがあります。

JIS B 1060
浸炭焼入焼戻しを施したメートル系スレッドローリングねじの機械的性質及び性能

JIS B 6914
鉄鋼の浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し加工

JIS G 0557
鋼の浸炭硬化層深さ測定方法

JIS B 6914(鉄鋼の浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し加工)では、鉄鋼を浸炭及び浸炭窒化し、焼入焼戻しする加工について規定されています。
鉄鋼を浸炭及び浸炭窒化し、焼入焼戻しする加工については、以下の加工があり、それぞれの記号も定義されています。

・ガス浸炭焼入焼戻し(記号:HCG-HQ-HT)
・真空浸炭焼入焼戻し(記号:HCV-HQ-HT)
・プラズマ浸炭焼入焼戻し(記号:HCP-HQ-HT)
・液体浸炭焼入焼戻し(記号:HCL-HQ-HT)

(※2)
固体浸炭とは、鋼製品を、固体浸炭剤の中で加熱し、浸炭を行う処理です。

(※3)
液体浸炭とは、鋼製品を、液体浸炭剤(浸炭塩浴)の中で加熱し、浸炭を行う処理です。

(※4)
ガス浸炭とは、鋼製品を、浸炭性ガスの中で加熱し、浸炭を行う処理です。

(※5)
JIS G 0201 は、以下のJIS規格になります。

JIS G 0201
鉄鋼用語(熱処理)

この規格の詳細については、以下を参照ください。
鉄鋼用語-鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等

(※6)
窒化に関連するJIS規格には、以下などがあります。

JIS B 6914
鉄鋼の浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し加工

JIS B 6915
鉄鋼の窒化及び軟窒化加工

JIS G 0562
鉄鋼の窒化層深さ測定方法

JIS G 0563
鉄鋼の窒化層表面硬さ測定方法

JIS G 7502
窒化鋼(ISO仕様)

JIS B 6915(鉄鋼の窒化及び軟窒化加工)では、鉄鋼の窒化・軟窒化及び酸窒化加工について規定されています。

(※7)
JIS B 6912 は、以下のJIS規格になります。

JIS B 6912
鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工

この規格では、鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工又は高周波焼入れ加工について規定されています。
鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工又は高周波焼入れ加工については、以下の加工があり、それぞれの記号も定義されています。

・高周波焼入焼戻し(記号:HQI-HT)
・高周波焼入れ・高周波焼戻し(記号:HQI-HTI)
・高周波焼入れ(記号:HQI)