バネ定数,計算,コイルばね,板,皿,材料,鋼,設計,座金,スプリング,製造等の種類・用語

 

低温焼なまし/ブルーイング/応力除去/ベーキング



バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”f)ばね製造”に分類されている用語のうち、『低温焼なまし』、『ブルーイング』、『応力除去』、『ベーキング』のJIS規格における定義その他について。

コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”f)ばね製造”に分類されているバネ用語には、以下の、『低温焼なまし』、『ブルーイング』、『応力除去』、『ベーキング』などの用語が定義されています。

ばね用語(JIS B 0103)
⇒【f)ばね製造


分類: ばね用語 > f)ばね製造

番号: 6237

用語: 低温焼なまし

定義:
内部応力の除去又は材料の弾性限、耐力、疲れ強さ
(※1)などの諸特性の改善及び形状の安定化を目的として行う低温加熱処理。

対応英語(参考):
low temperature annealing

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > f)ばね製造

番号: 6238

用語: ブルーイング(※2)

定義:
ばねの外観及び耐食性を改善するために、加熱によって表面に黄色又は青色の酸化膜を生じさせる熱処理。
低温焼なましと同じ目的の処理を示すこともある。

対応英語(参考):
blueing

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > f)ばね製造

番号: 6239

用語: 応力除去

定義:
成形その他の工程中に生じた望ましくない残留応力を、変態点
(※3)以下の適当な温度に加熱して除去する熱処理。

対応英語(参考):
stress relief,
stress release

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > f)ばね製造

番号: 6240

用語: ベーキング

定義:
素材のひずみ除去又はめっき後の水素除去を目的として行う熱処理。

対応英語(参考):
baking

慣用句(参考):


(※1)
疲れ強さとは、疲れ限度及び時間強さの総称、又は反復する応力によって生じる、破壊に耐え得る性質のことです。

(※2)
ブルーイングの、JIS G 0201 鉄鋼用語(熱処理)における定義は以下の通りです。

【ブルーイング】
鉄鋼製品を、酸化媒体中で、その研磨した表面が青色の酸化物の薄い、連続的な、密着性の高い膜で覆われるような温度で処理する操作。

(※3)
変態点とは、特定の合金の変態温度(相変化の起こる温度で、変態が温度範囲にわたって起こるときは、変態が開始し、終了する温度)のことです。
鋼については、次のような主要な変態温度が区別されます。
Ae1 : オーステナイトの存在下限を定義する平衡温度
Ae3 : フェライトの存在上限を定義する平衡温度
Aem : 過共析鋼においてセメンタイト存在上限を定義する温度
Ac1 : 加熱時、オーステナイトが生成し始める温度
Ac3 : 加熱時、フェライトがオーステナイトへの変態を完了する温度
Acm : 加熱時、過共析鋼中のセメンタイトが完全に溶解する温度
Ar1 : 冷却時、オーステナイトがフェライト又はフェライト、セメンタイトへの変態を完了する温度
Ar3 : 冷却時、フェライト変態が始まる温度
Arm : 過共析鋼において、オーステナイトの冷却の間、セメンタイトが生じ始める温度
Ms : 冷却の間にオーステナイトがマルテンサイトに変態し始める温度
Mf : 冷却の間、オーステナイトがほとんど完全にマルテンサイトに変態した温度
Mx : 冷却の間に、オーステナイトの x%がマルテンサイトに変態した温度
変態点[a)純鉄]
変態点[a)純鉄]
変態点[b)亜共析鋼]
変態点[b)亜共析鋼]
変態点[c)過共析鋼]
変態点[c)過共析鋼]