コーナプレス/圧入/コイリング/密着巻
バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”f)ばね製造”に分類されている用語のうち、『コーナプレス』、『圧入』、『コイリング』、『密着巻』のJIS規格における定義その他について。
コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”f)ばね製造”に分類されているバネ用語には、以下の、『コーナプレス』、『圧入』、『コイリング』、『密着巻』などの用語が定義されています。
ばね用語(JIS B 0103)
⇒【f)ばね製造】
分類: ばね用語 > f)ばね製造
番号: 6213
用語: コーナプレス
定義:
重ね板ばねのバネ板のセンタボルト穴周囲に、疲れ強さ(※1)の向上を目的として行う鋭角除去又は圧縮残留応力(※2)を付与するためのプレス加工。
対応英語(参考):
corner pressing
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > f)ばね製造
番号: 6214
用語: 圧入
定義:
重ね板ばねなどの目玉に、しまりばめとなるようにブシュ(※3)を押し入れる加工。
対応英語(参考):
push-in
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > f)ばね製造
番号: 6215
用語: コイリング
定義:
コイルの加工工程をいい、線又は棒に指定の曲率曲げ及び指定のねじり率のねじりを与え、コイル状に成形する加工。
対応英語(参考):
coiling
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > f)ばね製造
番号: 6216
用語: 密着巻
定義:
コイルばねにおいて、互いに隣り合うコイルが密着した状態に成形する加工。
対応英語(参考):
solid coiling
慣用句(参考):
−
(※1)
疲れ強さとは、疲れ限度及び時間強さの総称、又は反復する応力によって生じる、破壊に耐え得る性質のことです。
(※2)
圧縮残留応力とは、ばねにショットピーニングなどを施すことによって、表面層は若干の加工硬化とともに表面層だけが展延され、これに起因して生じる圧縮の残留応力のことです。
(※3)
ブシュとは、重ね板バネの目玉(ばね板の端部を除く丸く巻いた部分)にはめ込み、軸受の働きをする部品のことです(以下の参考図 付図20 及び 付図76 参照)。
付図20 重ね板ばね(3110)、マルチリーフスプリング(3111)、半だ円ばね(3120)、対称ばね(3140)、親子重ね板ばね(3170)、親ばね(3171)、子ばね(3172)、目玉(4121)、クリップ(4150)、クリップボルト(4152)、センタボルト(4161)、ブシュ(4162)、スペーサ(4163)、スパン(5421)、反り(5425)、重ね板ばねの高さ(5426)
付図76 金属ブシュ[ブシュ(4162)]
付図76 金属ブシュ(巻きブシュ)[ブシュ(4162)]
付図76 ゴムブシュ(つば付きブシュ)[ブシュ(4162)]
付図76 ゴムブシュ(スリーブ付きブシュ)[ブシュ(4162)]