巻上げトルク/巻戻しトルク/余裕巻/予巻/歯付き座金の歯の高さ
バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”e)ばね設計”に分類されている用語のうち、『巻上げトルク』、『巻戻しトルク』、『余裕巻』、『予巻』、『歯付き座金の歯の高さ』のJIS規格における定義その他について。
コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”e)ばね設計”に分類されているバネ用語には、以下の、『巻上げトルク』、『巻戻しトルク』、『余裕巻』、『予巻』、『歯付き座金の歯の高さ』などの用語が定義されています。
ばね用語(JIS B 0103)
⇒【e)ばね設計】
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5621
用語: 巻上げトルク
定義:
ぜんまい(※1)を巻しん(巻芯)に巻き付ける方向に回転させるために、必要なトルク(付図101)。(※2)
対応英語(参考):
winding torque
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5622
用語: 巻戻しトルク
定義:
ぜんまいを開放する方向に回転させたときに得られるトルク(付図101)。(※2)
対応英語(参考):
unwinding torque
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5623
用語: 余裕巻
定義:
ぜんまいを巻しん(巻芯)に巻き付ける方向に回転させるとき、その回転可能な巻数(最大巻数)と使用される範囲の巻数の上限との差(付図101)。(※2)
対応英語(参考):
dead turns
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5624
用語: 予巻(よまき)
定義:
ぜんまいの自由状態から使用される範囲の巻数の、下限値まで巻き付ける巻数(付図101)。(※2)
対応英語(参考):
spare turns
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5631
用語: 歯付き座金の歯の高さ
定義:
ねじの緩み止め効果を上げるためにねじった歯の高さ。
備考:
JIS B 1251 参照。(※3)
対応英語(参考):
height of twisted tooth,
tooth height of toothed washer
慣用句(参考):
−
(※1)
ぜんまいとは、薄板状の材料を用いた渦巻ばね(渦巻きばね、渦巻きバネ)のことです(以下、ぜんまいの参考図 付図44〜49 参照)。
付図44 渦巻きばね(3400)、ぜんまい(3410)、非接触形ぜんまい(3412)
付図45 渦巻きばね(3400)、ぜんまい(3410)、接触形ぜんまい(3411)、ぜんまい端部(4310)
付図46 渦巻きばね(3400)、ぜんまい(3410)、非接触形ぜんまい(3412)、ぜんまい端部(4310)
付図47 渦巻きばね(3400)、ぜんまい(3410)、非接触形ぜんまい(3412)、ひげぜんまい(3413)
付図48 渦巻きばね(3400)、ぜんまい(3410)、接触形ぜんまい(3411)、定荷重ぜんまい(3414)
付図49 渦巻きばね(3400)、ぜんまい(3410)、接触形ぜんまい(3411)、定荷重ぜんまい(3414)
(※2)
巻上げトルク、巻戻しトルク、余裕巻 及び 予巻 の参考図として、付図101 は以下です。
付図101 巻上げトルク(5621)、巻戻しトルク(5622)、余裕巻(5623)、予巻(5624)
(※3)
JIS B 1251 は、以下のJIS規格になります。
JIS B 1251
ばね座金
この規格では、バネ作用をもつ以下の4種類の座金について規定されています。
a)一般用のボルト・小ねじ・ナットなどに使用する鋼製、ステンレス鋼製及びりん青銅製ばね座金。
b)一般用のボルト・小ねじ・ナット・六角穴付きボルトなどに使用する鋼製皿ばね座金。
c)一般用のボルト・小ねじ・ナットなどに使用する鋼製及びりん青銅製歯付き座金。
d)一般用のボルト・小ねじ・ナットなどに使用する鋼製、ステンレス鋼製及びりん青銅製波形ばね座金。
ばね座金(バネ座金)、波形ばね座金(波形バネ座金)、皿ばね座金(皿バネ座金)、歯付き座金 の略号は、それぞれ以下です。
・ばね座金(バネ座金):SW
・波形ばね座金(波形バネ座金):WW
・皿ばね座金(皿バネ座金):CW
・歯付き座金:TW