バネ定数,計算,コイルばね,板,皿,材料,鋼,設計,座金,スプリング,製造等の種類・用語

 

縦横比/長径/短径/長短径比/断面の倒れ角



バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”e)ばね設計”に分類されている用語のうち、『縦横比』、『長径』、『短径』、『長短径比』、『断面の倒れ角』のJIS規格における定義その他について。

コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”e)ばね設計”に分類されているバネ用語には、以下の、『縦横比』、『長径』、『短径』、『長短径比』、『断面の倒れ角』などの用語が定義されています。

ばね用語(JIS B 0103)
⇒【e)ばね設計


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5542

用語: 縦横比(たてよこひ)(※1)

定義:
コイルばねの自由高さ
(※2)とコイル平均径(※3)との比。

対応英語(参考):
slenderness ratio of coil spring

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5543

用語: 長径

定義:
異形断面コイルばねに用いる材料の横断面の幅(付図40)。
付図40 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、異形断面ばね(3272)、卵形断面ばね(3274)、コイル図心径(5529)、長径(5543)、短径(5544)
付図40 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、異形断面ばね(3272)、卵形断面ばね(3274)、コイル図心径(5529)、長径(5543)、短径(5544)

対応英語(参考):
width of wire cross section

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5544

用語: 短径

定義:
異形断面コイルばねに用いる材料の横断面の厚さ(付図40)。
付図40 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、異形断面ばね(3272)、卵形断面ばね(3274)、コイル図心径(5529)、長径(5543)、短径(5544)
付図40 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、異形断面ばね(3272)、卵形断面ばね(3274)、コイル図心径(5529)、長径(5543)、短径(5544)

対応英語(参考):
thickness of wire cross section

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5545

用語: 長短径比

定義:
異形断面コイルばねに用いる材料の横断面の幅と厚さとの比。

対応英語(参考):
aspect ratio of wire cross section

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5546

用語: 断面の倒れ角

定義:
無荷重時に異形断面コイルばねの材料断面の横方向軸線が、コイル横断面となす角度。

対応英語(参考):
slant angle of wire cross section

慣用句(参考):


(※1)
圧縮ばねの縦横比は、有効巻数(コイルばねのばね定数の計算に用いる巻数)の確保のため、0.8以上し、更に、座屈を考慮して、一般的には 0.8〜4 の範囲で選ぶのが良いとされています(JIS B 2704 圧縮及び引張コイルばね-設計・性能試験方法)。
なお、座屈とは、コイルばねに加わる圧縮荷重又はねじりモーメントが ある大きさに達すると、コイルの軸線が急に波形、らせん形などに曲がる現象です(以下の参考図 付図102 参照)。
座屈荷重は、座(バネを据えさせる部位、相手部品などの総称)の拘束状態、コイルばねの縦横比などによって大きく変化します。
付図102 座屈(5311)
付図102 座屈(5311)

(※2)
自由高さとは、無荷重時のコイルばねの高さです。
ただし、引張コイルばねの場合は、自由長さといいます。

(※3)
コイル平均径とは、コイルばねの計算式に用いる、コイル内径と外径との平均値のことです(以下の参考図 付図27 及び 付図28 参照)。
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)

コイル平均径は、以下の式で計算されます。
D:コイル平均径、単位:mm
D=(Di+Do)/2
Di:コイル内径、単位:mm
Do:コイル外径、単位:mm