バネ定数,計算,コイルばね,板,皿,材料,鋼,設計,座金,スプリング,製造等の種類・用語

 

ピッチ/ピッチ角/不等ピッチ/線間すき間/ばね指数



バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”e)ばね設計”に分類されている用語のうち、『ピッチ』、『ピッチ角』、『不等ピッチ』、『線間すき間』、『ばね指数』のJIS規格における定義その他について。

コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”e)ばね設計”に分類されているバネ用語には、以下の、『ピッチ』、『ピッチ角』、『不等ピッチ』、『線間すき間』、『ばね指数』などの用語が定義されています。

ばね用語(JIS B 0103)
⇒【e)ばね設計


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5537

用語: ピッチ(※1)

定義:
コイルばねの中心線を含む断面で、互いに隣り合うコイルの中心線に平行な材料断面の中心間距離(付図27、付図28 及び 付図37〜39)。
(※2)

対応英語(参考):
spring pitch,
pitch

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5538

用語: ピッチ角

定義:
コイルばねの材料の中心線がバネの中心線に直角な平面となす角(付図27)。
(※2)

対応英語(参考):
pitch angle,
helix angle

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5539

用語: 不等ピッチ

定義:
圧縮コイルばねのバネ特性(ばね特性)を非線形とするためなどのバネの均一でないピッチ(付図87)。
付図87 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、不等ピッチコイルばね(3250)、不等ピッチ(5539)
付図87 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、不等ピッチコイルばね(3250)、不等ピッチ(5539)

対応英語(参考):
variable pitch

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5540

用語: 線間すき間

定義:
コイルばねの中心線を含む断面で、互いに隣り合うコイルの中心線に平行な材料断面間のすき間(付図27)。
(※2)

対応英語(参考):
space between coils,
opening

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5541

用語: ばね指数(※3)

定義:
コイル平均径
(※4)と、材料の直径又はコイル径方向の幅との比。

対応英語(参考):
spring index

慣用句(参考):


(※1)
ピッチが0.5D(Dはコイル平均径)を超えると、一般的に、たわみ(荷重)の増加に伴いコイル径が変化するため、基本式から求めたたわみ及びねじり応力の修正が必要となるので、0.5以下とします。
なお、一般にピッチの推定は、以下の略算式により計算されます。(詳細は、JIS B 2704 圧縮及び引張コイルばね-設計・性能試験方法 参照)。
P=(Hf−Hs)/Na+d

(※2)
ピッチ、ピッチ角 及び 線間すき間 の参考図として、付図27、付図28 及び 付図37〜39 は、以下になります。
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)
付図37 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円すいコイルばね(3242)、不等ピッチコイルばね(3250)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)
付図37 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円すいコイルばね(3242)、不等ピッチコイルばね(3250)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)
付図38 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、鼓形コイルばね(3243)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)
付図38 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、鼓形コイルばね(3243)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)
付図39 シートばね(2910)、コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、たる形コイルばね(3244)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)
付図39 シートばね(2910)、コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、たる形コイルばね(3244)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)

(※3)
ばね指数(バネ指数)c(c= D/d) は、ばね指数が小さくなると局部応力が過大となり、また、ばね指数が大きい場合及び小さい場合は加工性が問題となります。
従って、ばね指数は、熱間で成形する場合には 4〜15、冷間で成形する場合には 4〜22 の範囲で選ぶのが良いとされます(JIS B 2704 圧縮及び引張コイルばね-設計・性能試験方法 参照)。

(※4)
コイル平均径とは、コイルばねの計算式に用いる、コイル内径と外径との平均値のことです(以下の参考図 付図27 及び 付図28 参照)。
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)

コイル平均径は、以下の式で計算されます。
D:コイル平均径、単位:mm
D=(Di+Do)/2
Di:コイル内径、単位:mm
Do:コイル外径、単位:mm