バネ定数,計算,コイルばね,板,皿,材料,鋼,設計,座金,スプリング,製造等の種類・用語

 

有効巻数/巻方向/右巻/左巻/座巻



バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”e)ばね設計”に分類されている用語のうち、『有効巻数』、『巻方向』、『右巻』、『左巻』、『座巻』のJIS規格における定義その他について。

コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”e)ばね設計”に分類されているバネ用語には、以下の、『有効巻数』、『巻方向』、『右巻』、『左巻』、『座巻』などの用語が定義されています。

ばね用語(JIS B 0103)
⇒【e)ばね設計


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5532

用語: 有効巻数

定義:
コイルばねのばね定数(バネ定数)
(※1)の計算に用いる巻数。

対応英語(参考):
active coils,
number of active coils,
number of active turns

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5533

用語: 巻方向

定義:
コイルばねのコイルの巻かれた方向。

対応英語(参考):
direction of helix

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5534

用語: 右巻

定義:
右ねじ(右ネジ)
(※2)と同じようなコイルばねの、コイルの巻方向(付図27、付図34 及び 付図35)。
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図34 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、外側コイル(4251)、内側コイル(4252)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)
付図34 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、外側コイル(4251)、内側コイル(4252)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)
付図35 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)
付図35 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)

対応英語(参考):
right hand wind,
right hand coil,
clockwise coil

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5535

用語: 左巻

定義:
左ねじ(左ネジ)
(※3)と同じようなコイルばねの、コイルの巻方向(付図28、付図34 及び 付図35)。
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)
付図34 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、外側コイル(4251)、内側コイル(4252)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)
付図34 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、外側コイル(4251)、内側コイル(4252)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)
付図35 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)
付図35 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)

対応英語(参考):
left hand wind,
left hand coil,
counterclockwise coil,
anticlockwise coil

慣用句(参考):


分類: ばね用語 > e)ばね設計

番号: 5536

用語: 座巻(ざまき)

定義:
圧縮コイルばねの端部で、見掛け上ばねとして作用しない部分。

対応英語(参考):
end turn

慣用句(参考):


(※1)
ばね定数(バネ定数)とは、バネに単位変位量(たわみ又はたわみ角)を与えるのに必要な力又はモーメントのことです。
一般には、静的荷重(時間的にほぼ変動しない荷重)に対する静ばね定数(静バネ定数)のことをいいます。
ばね定数(バネ定数)は、以下の式によって計算されます。(詳細は、JIS B 2704 圧縮及び引張コイルばね-設計・性能試験方法 参照)。

(a)圧縮ばね及び初張力がない引張ばねの場合

k=P/δ=(Gd4)/(8NaD3

ここに、

k:ばね定数(バネ定数)、単位:N/mm
P:ばねにかかる荷重(力)、単位:N
δ:ばねのたわみ、単位:mm
δ=(8NaD3P)/(Gd4
G:横弾性係数、単位:N/mm2
d:材料の直径、単位:mm
d={(8DP)/(πτ0)}(1/3)={(8κDP)/(πτ)}(1/3)
Na=(Gd4δ)/(8D3P)=(Gd4)/(8D3κ)
κ:応力修正係数、単位:−
τ0:ねじり応力、単位:N/mm2
τ0=(8DP)/(πd3)=(Gdδ)/(πNaD2
τ:ねじり修正応力、単位:N/mm2
τ=κτ0
D:コイル平均径、単位:mm
D=(Di+Do)/2
Di:コイル内径、単位:mm
Do:コイル外径、単位:mm

(b)初張力がある引張ばねの場合(ただし、P>Pi

k=(P−Pi)/δ=(Gd4)/(8NaD3

ここに、

k:ばね定数(バネ定数)、単位:N/mm
P:ばねにかかる荷重(力)、単位:N
Pi:初張力、単位:N
δ:ばねのたわみ、単位:mm
δ={8NaD3(P−Pi)}/(Gd4
G:横弾性係数、単位:N/mm2
d:材料の直径、単位:mm
d={(8DP)/(πτ0)}(1/3)={(8κDP)/(πτ)}(1/3)
Na=(Gd4δ)/(8D3(P−Pi))=(Gd4)/(8D3κ)
κ:応力修正係数、単位:−
τ0:ねじり応力、単位:N/mm2
τ0=(8DP)/(πd3)=(Gdδ)/(πNaD2)+τi
τ:ねじり修正応力、単位:N/mm2
τ=κτ0
τi:初応力、単位:N/mm2
D:コイル平均径、単位:mm
D=(Di+Do)/2
Di:コイル内径、単位:mm
Do:コイル外径、単位:mm

なお、たわみとは、バネに荷重、モーメントなどを加えたときに発生する変位又は回転角です。
圧縮コイルばねの場合は、バネ両端の相対変位のことをいいます。
重ね板ばねの場合は、両目玉を結んだ線に対するセンタボルト位置からの垂線の距離の変化のことをいいます。
トーションバーの場合は、バネの両端の回転角のことをいいます。
ぜんまいの場合は、巻回数のことをいいます。

(※2)
右ねじ(右ネジ)とは、軸方向に見たとき、時計回り(右回り)にたどれば、その人から遠ざかるようなネジのことです(以下の参考図参照)。
一条ねじのおねじ(右ねじ)
一条ねじのおねじ(右ねじ)
一条ねじのめねじ(右ねじ)
一条ねじのめねじ(右ねじ)

(※3)
左ねじ(左ネジ)とは、軸方向に見たとき、逆時計回り(左回り)にたどれば、その人から遠ざかるようなネジのことです(以下の参考図参照)。
一条ねじのおねじ(左ねじ)
一条ねじのおねじ(左ねじ)