引張コイルばねの長さ/自由角度/密着高さ/コイル平均径
バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”e)ばね設計”に分類されている用語のうち、『引張コイルばねの長さ』、『自由角度』、『密着高さ』、『コイル平均径』のJIS規格における定義その他について。
コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”e)ばね設計”に分類されているバネ用語には、以下の、『引張コイルばねの長さ』、『自由角度』、『密着高さ』、『コイル平均径』などの用語が定義されています。
ばね用語(JIS B 0103)
⇒【e)ばね設計】
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5523
用語: 引張コイルばねの長さ
定義:
引張コイルばねの、フックの内側間の長さ(付図29)。
付図29 コイルばね(3200)、引張コイルばね(3220)、円筒コイルばね(3241)、フック(4221)、引張コイルばねの長さ(5523)
対応英語(参考):
length of inside hooks
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5524
用語: 自由角度
定義:
無荷重時のねじりコイルばねの、コイル両端部の相対角度(付図31)。
付図31 コイルばね(3200)、ねじりコイルばね(3230)、円筒コイルばね(3241)、自由角度(5524)
付図31 コイルばね(3200)、ねじりコイルばね(3230)、円筒コイルばね(3241)、自由角度(5524)
対応英語(参考):
free angle
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5525
用語: 密着高さ
定義:
圧縮コイルばねの互いに隣り合う、コイルが密着したときの高さ。(※1)
対応英語(参考):
solid length,
solid height
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5526
用語: コイル平均径(※2)
定義:
コイルばねの計算式に用いる、コイル内径と外径との平均値(付図27 及び 付図28)。
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)
対応英語(参考):
mean diameter of coil,
pitch diameter
慣用句(参考):
−
(※1)
ばねの密着高さ Hs は、一般に次の略算式によって算出されます。(詳細は、JIS B 2704 圧縮及び引張コイルばね-設計・性能試験方法 参照)。
ただし、圧縮ばねの密着高さ Hs は、一般には発注者は指定しません。
Hs=(Nt−1)d+(t1+t2)
ここに、
Hs:密着高さ、単位:mm
d:材料の直径:単位:mm
Nt:総巻数、単位:−
(t1+t2):コイル両端部のそれぞれの厚さの和、単位:mm
(※2)
コイルばねのコイル平均径は以下の式によって計算されます。(詳細は、JIS B 2704 圧縮及び引張コイルばね-設計・性能試験方法 参照)。
D=(Di+Do)/2
D:コイル平均径 、単位:mm
Di:コイル内径、単位:mm
Do:コイル外径、単位:mm