初応力/コイルばねの展開長さ/自由高さ/自由長さ
バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”e)ばね設計”に分類されている用語のうち、『初応力』、『コイルばねの展開長さ』、『自由高さ』、『自由長さ』のJIS規格における定義その他について。
コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”e)ばね設計”に分類されているバネ用語には、以下の、『初応力』、『コイルばねの展開長さ』、『自由高さ』、『自由長さ』などの用語が定義されています。
ばね用語(JIS B 0103)
⇒【e)ばね設計】
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5514
用語: 初応力(しょおうりょく)
定義:
引張コイルばねの初張力(※1)によって、コイル材料に生じるねじり応力。
対応英語(参考):
initial stress
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5515
用語: コイルばねの展開長さ
定義:
コイルばねの材料の中心線を展開したときの長さ。
対応英語(参考):
developed length of coil spring
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5521
用語: 自由高さ
定義:
無荷重時のコイルばねの高さ。
ただし、引張コイルばねの場合は、自由長さという(付図27、付図28、付図34〜39 及び 付図43)。
付図27 コイルばねコイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、右巻(5534)、ピッチ(5537)、ピッチ角(5538)、線間すき間(5540)
付図28 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、コイル平均径(5526)、左巻(5535)、ピッチ(5537)
付図34 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、外側コイル(4251)、内側コイル(4252)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)
付図35 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、自由高さ(5521)、右巻(5534)、左巻(5535)
付図36 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円筒コイルばね(3241)、テーパコイルばね(3245)、自由高さ(5521)
付図37 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円すいコイルばね(3242)、不等ピッチコイルばね(3250)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)
付図38 コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、鼓形コイルばね(3243)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)
付図39 シートばね(2910)、コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、たる形コイルばね(3244)、自由高さ(5521)、ピッチ(5537)
付図43 摩擦ばね(2930)、コイルばね(3200)、圧縮コイルばね(3210)、円すいコイルばね(3242)、竹の子ばね(3300)、自由高さ(5521)
対応英語(参考):
free length,
free height
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5522
用語: 自由長さ
定義:
無荷重時のコイルばねの長さ。
ただし、圧縮コイルばねの場合は、自由高さという。
対応英語(参考):
free length,
free height
慣用句(参考):
−
(※1)
初張力とは、無荷重時に密着している、引張コイルばねの内力のことです。
密着巻の冷間成形引張コイルばねにおける初張力Pi は、以下の式で算出されます(詳細は、JIS B 2704 圧縮及び引張コイルばね-設計・性能試験方法 参照)。
Pi={(πd3)/(8D)}×τi
ここに、
Pi:初張力、単位:N
d:材料の直径、単位:mm
D:コイル平均径 D=(Di+Do)/2、単位:mm
Di:コイル内径、単位:mm
Do:コイル外径、単位:mm
τi:初応力、単位:N/mm2