展開法/ワインドアップトルク/板間摩擦/ニップ応力/伝達荷重
バネ(スプリング)及びバネに関連する用語を規定しているばね用語(バネ用語)において、”e)ばね設計”に分類されている用語のうち、『展開法』、『ワインドアップトルク』、『板間摩擦』、『ニップ応力』、『伝達荷重』のJIS規格における定義その他について。
コイルばね、板バネ、皿バネ等の種類・名称・形状・用途、バネ定数やばね荷重の計算・設計、ばね鋼等バネ材料、ばね加工・製造、試験・検査などに関連する用語として、ばね用語(JIS B 0103)において、”e)ばね設計”に分類されているバネ用語には、以下の、『展開法』、『ワインドアップトルク』、『板間摩擦』、『ニップ応力』、『伝達荷重』などの用語が定義されています。
ばね用語(JIS B 0103)
⇒【e)ばね設計】
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5412
用語: 展開法
定義:
重ね板ばねを対称ばね(※1)の場合は、長手方向に2等分し、非対称ばね(※2)の場合は、スパン比に案分して、同一平面上に並べ直してできる1枚板のばね特性(※3)が、元の重ね板ばねのそれに等しいとする設計方法。
対応英語(参考):
developed leaf method
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5413
用語: ワインドアップトルク
定義:
車体の加速度によって、走行方向とは直角な水平軸の周りに生じるねじりモーメント(※4)。
備考:
ワインドアップモーメントともいう。
対応英語(参考):
wind-up torque,
wind-up moment
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5414
用語: 板間摩擦(ばんかんまさつ)
定義:
重ね板ばねのリーフ間のしゅう動(摺動)に伴って生じる摩擦。
対応英語(参考):
friction between plates
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5415
用語: ニップ応力
定義:
重ね板ばねのニップ(※5)を締め付けたとき、ばね板に生じる曲げ応力。
対応英語(参考):
nip stress
慣用句(参考):
−
分類: ばね用語 > e)ばね設計
番号: 5416
用語: 伝達荷重
定義:
板端法において板の先端に伝達する荷重。
対応英語(参考):
transfer load
慣用句(参考):
−
(※1)
対称ばね(対称バネ)とは、センタボルト又はセンタピンの位置が、スパンの中央にある重ね板ばねのことです(以下の参考図 付図15〜18、付図20、付図21 及び 付図64 参照)。
付図15 担いばね(2300)、重ね板ばね(3110)、半だ円ばね(3120)、対称ばね(3140)、親板(4111)、全長板(4112)、子板(4113)、目玉(4121)、二番巻(4122)、胴締め(4140)、センタピン(4141)、スパン(5421)、ステップ(5424)、反り(5425)、重ね板ばねの高さ(5426)
付図16 担いばね(2300)、重ね板ばね(3110)、マルチリーフスプリング(3111)、半だ円ばね(3120)、だ円ばね(3130)、対称ばね(3140)、スパン(5421)、反り(5425)、重ね板ばねの高さ(5426)
付図17 まくらばね(2400)、重ね板ばね(3110)、マルチリーフスプリング(3111)、だ円ばね(3130)、対称ばね(3140)、親子重ね板ばね(3170)、親ばね(3171)、子ばね(3172)、スペーサ(4163)、重ね板ばねの高さ(5426)
付図18 まくらばね(2400)、重ね板ばね(3110)、マルチリーフスプリング(3111)、だ円ばね(3130)、対称ばね(3140)、端受け(4169)、重ね板ばねの高さ(5426)
付図20 重ね板ばね(3110)、マルチリーフスプリング(3111)、半だ円ばね(3120)、対称ばね(3140)、親子重ね板ばね(3170)、親ばね(3171)、子ばね(3172)、目玉(4121)、クリップ(4150)、クリップボルト(4152)、センタボルト(4161)、ブシュ(4162)、スペーサ(4163)、スパン(5421)、反り(5425)、重ね板ばねの高さ(5426)
付図21 重ね板ばね(3110)、マルチリーフスプリング(3111)、半だ円ばね(3120)、対称ばね(3140)、プログレッシブ重ね板ばね(3160)、主ばね(3161)、補助ばね(3162)、クリップ(4150)、センタボルト(4161)、スパン(5421)、反り(5425)、重ね板ばねの高さ(5426)
付図64 重ね板ばね(3110)、半だ円ばね(3120)、対称ばね(3140)、親板(4111)、押さえばね板(4114)
(※2)
非対称ばね(非対称バネ)とは、センタボルト又はセンタピンの位置が、スパンの中央にない非対称の重ね板バネのことです(以下の参考図 付図19、付図22〜23、付図79 及び 付図80 参照)。
付図19 重ね板ばね(3110)、マルチリーフスプリング(3111)、半だ円ばね(3120)、非対称ばね(3150)、クリップ(4150)、センタボルト(4161)、サイレンサ(4166)、スパン(5421)、ストレートスパン(5423)、反り(5425)
付図22 重ね板ばね(3110)、テーパリーフスプリング(3112)、半だ円ばね(3120)、非対称ばね(3150)、スパン(5421)、反り(5425)
付図23 重ね板ばね(3110)、テーパリーフスプリング(3112)、半だ円ばね(3120)、非対称ばね(3150)
付図79 重ね板ばね(3110)、半だ円ばね(3120)、非対称ばね(3150)、マスダンパ(4167)
付図80 重ね板ばね(3110)、半だ円ばね(3120)、非対称ばね(3150)、ダイナミックダンパ(4168)
(※3)
ばね特性(バネ特性)とは、バネに加わる荷重とそれによって生じるバネのたわみとの関係のことです。
(※4)
ねじりモーメントとは、ねじりコイルばね(ねじりモーメントを受けるコイルばね)、トーションバー(ねじりを利用する棒状のバネ)などに外力が加えられたときに、軸周りに発生するモーメントのことです。
(※5)
ニップとは、重ね板ばねにおいて、センタボルトなどで締め付ける前の隣接するバネ板とバネ板とのすき間のことです。